なぜそうなるか
外壁塗装を頼む前に見られる、国土交通省の「住宅リフォーム事業者団体」の一覧——国は、登録を受けていない事業者がそれだけで資質に欠けるわけではない、とも書いていました
外壁の塗り替えを考え始めると、まず迷うのが業者の選び方です。
チラシや紹介、ネットの検索結果には多くの名前が並びますが、どこを見れば安心できるのかは、なかなか一言では決まりません。
口コミや施工例は参考になる一方で、書き手や撮り方しだいで印象が大きく変わります。もう少し公的な手がかりがないか、と考える方もいるでしょう。
国土交通省には、リフォームの事業者そのものではなく、事業者が集まる「団体」を国が登録する制度があります。登録された団体の一覧は、国土交通省のページで公開されています。
そこで、制度を説明する国土交通省のページと、制度の中身を定めたガイドライン(令和2年12月23日改正)を開き、塗装工事を頼む側に関わりそうな部分を並べました。
以下では原文を引いて整理します。特定の団体や業者を勧めることはしませんし、ご自身の依頼先がどう当てはまるかも、この記事では判断しません。
・国が登録しているのは、個々の業者ではなく「住宅リフォーム事業者団体」
・登録団体の構成員には、見積書と契約の書面を渡すことなどが求められている
・一定の金額の範囲の工事では、瑕疵保険への加入も求められている
・国は、登録を受けていない事業者が、それだけで資質や能力に欠けるわけではないと注意している
・団体の登録は3年ごとの更新制
この制度は、何を登録しているの?
国の登録があるなら、登録された業者を選べば安心?
制度をつくった理由は、国土交通省のページの冒頭にこうあります。
住宅リフォーム事業の健全な発達及び消費者が安心してリフォームを行うことができる環境の整備を図るために、国土交通省の告示による住宅リフォーム事業者団体登録制度を創設しました
同じページには登録された団体の一覧があり、当方が数えた時点(2026年9月26日)では16団体が並んでいました。名称に「塗装」の字を含む団体は、そのうち2つです。
ガイドラインも、登録が団体を単位にしていることをはっきり書いています。一覧に載っているのは団体の名前であり、個々の業者の名前ではありません。依頼を考えている業者がどこかの登録団体に属しているかは、団体の側の情報で確かめることになります。登録団体の役割として、同じページが挙げる点の一つが次のものです。
登録団体は、相談窓口を設けて、構成員の行ったリフォーム等に関する消費者からの相談に対応し
登録団体の構成員には、何が求められているの?
団体に入っている業者は、契約のときに何か違うの?
見積りについては、次のとおりです。
住宅リフォーム工事の請負契約を締結するに際して、材料費、労務費その他の経費の内訳を明らかにして、当該工事の見積りを行い、請負契約が成立するまでの間に見積書を交付すること。
契約の書面の定めは、こちらです。
内訳の分かる見積書が、契約の成立までに渡されることが、登録団体の構成員に求められている形です。 保険についても、ガイドラインには定めがあります。請負代金の額が500万円以下で、登録団体が定める金額以上の工事では、瑕疵保険の契約を結ぶことが求められる、という書き方です。ただし、次の場合は除かれます。住宅リフォーム工事の請負契約の締結に際して、当該請負契約の注文者に対し、遅滞なく、建設業法第十九条第一項各号に掲げる事項を記載した書面を交付すること。
当該工事の注文者があらかじめ書面により反対の意思を表示している場合を除き
自宅で契約を急かされた場合の扱いは、突然来た業者と契約した外壁塗装は、クーリング・オフできる?で、消費者庁の説明を原文から並べています。
登録されていない業者は、避けたほうがいい?
一覧の団体に入っていない業者は、選ばないほうがいいの?
制度の位置づけを説明する部分に、次の一文があります。
同じ部分は、この制度を「あくまで任意の制度」とも書いています。登録の有無は選ぶ材料の一つであって、それだけで良し悪しを決める物差しではない、というのが国の書き方です。本制度の登録を受けていない団体及びその会員、又は特定の事業者団体に属していないリフォーム事業者が、そのことをもって、資質及び能力が不足している事業者であるというものではないことに留意する必要がある。
団体に属しているかどうかとは別に、建設業の許可の有無や、見積書・契約書の中身は、どの業者に対しても確かめられる事実です。
登録には期限があるの?
一度登録された団体は、ずっとそのまま?
ガイドラインに収められた登録規程の該当部分は、次のとおりです。
国土交通省の一覧には、団体ごとに登録(更新)の年月日が載っています。一覧を見るときは、日付もあわせて見ておくと、いつ時点の登録かが分かります。前項の登録は、三年ごとにその更新を受けなければ、その期間(以下「登録の有効期間」という。)の経過によって、その効力を失う。
この記事で確認したこと
・国が登録するのは、業者が集まる団体(2026年9月26日時点で16団体)
・構成員には、内訳を明らかにした見積書と、契約の書面の交付が求められている
・500万円以下で団体が定める金額以上の工事では、瑕疵保険の契約も求められている(注文者が書面で反対した場合を除く)
・登録を受けていないことだけで、資質や能力が不足しているわけではない
・登録は3年ごとの更新制
ガイドラインは、登録の有無だけで事業者を判断しないよう、制度の説明の中で注意を置いています。
よくある質問
業者がどの団体に属しているかは、どう確かめますか
国土交通省のページによると、登録団体は構成員の情報を開示するとされています。一覧の各団体のページや、業者本人への問い合わせで確かめる形になります。
ロゴマークは何を示していますか
国土交通省のページは、登録された団体と、その団体に所属する一定の要件を満たす構成員が使えるロゴマークがあると説明しています。
困ったときは、どこに相談できますか
国土交通省のページは、悪質な点検商法について、住宅リフォーム・紛争処理支援センターの「住まいるダイヤル」を案内しています。電話番号と受付時間は、同じページに載っています。
この整理が変わる条件
- 国土交通省が、住宅リフォーム事業者団体登録制度のページや登録団体の一覧を改めた場合
- 住宅リフォーム事業者団体登録規程やガイドラインが改正された場合
出典
- 国土交通省「住宅リフォーム事業者団体登録制度」 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000090.html
- 国土交通省「住宅リフォーム事業者団体登録制度に係るガイドライン」(令和2年12月23日改正) https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001446711.pdf
業者を決める前に、国土交通省の最新の一覧と、手元の見積書・契約書の中身をあわせてご確認ください。
当方が上の出典を引いて確かめた日: